ロールコーター塗装におけるWet on Wet塗装
合板、パーチクルボード等に複数のコートをかける場合、2連式ロールコーターの間で赤外線ランプ又は熱風を
吹き付け第1コートをある程度乾燥させて(溶剤を蒸発させる)第2コートをかけることはよくなされています。
然し、2連式ロールコーターの間隔が殆どない場合、又塗料又は樹脂液の乾燥が遅い場合でも連続コートをして、
第1ロールの塗料と第2ロールの塗料が互いに混じることなく、工程を省いて経費を節減する便法があります。例えば、艶あり
エナメルの上により艶を出すために艶ありクリヤーを塗る場合、又は、艶ありエナメルの上にマットクリヤーを塗って
艶消し仕上げにしたい場合等です。 |
その基本的考え方
基本的には、第1ロールの塗料と第2ロールの塗料の粘度を変化させることです。例えば、第1ロールの塗料は、
肉ずき、隠蔽力を良くする意味においても30−40秒位にセットします。
第2ロールの塗料は、仕上げを良くする意味においても20秒位にセットします。
勿論、同じ系統の樹脂である事が絶対条件です。粘度差があり、ロールがきっちりと調整されている事も必要です。 |
粘度差を利用した応用例
例えば、2液型の接着剤の硬化剤を第1ロールで塗布し、第2ロールで粘度の低い主剤を塗布し、貼り付ける
フイルム、シート等を張り合わせ、プレスロールでローラープレスすることにより主剤と硬化剤を反応させる事は可能です。
2液型塗料の場合は、ローラープレスで押し付ける訳にはいきませんので無理でしょう。極く一部の、
特殊なリアクション方式のポシエステル樹脂塗料の場合は可能性があるかもしれません。
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